食べているのに栄養失調⁉︎現代型栄養失調の症状や原因は?
血液検査を受けて栄養失調になりかけていると指摘される人が、近年、増えています。
一見すると、むしろぽっちゃりしていて、栄養失調とはとても思えない体格。
カロリーが不足する栄養失調とは異なるタイプの栄養失調が、じわじわと増えています。
「現代型栄養失調」と呼ばれる栄養失調。
症状や原因を整理してみました。
現代型栄養失調とは
いわゆる栄養失調は、カロリー自体が不足していました。
しかし、現代型栄養失調は、カロリーは過剰摂取しています。
カロリーとなる栄養素は摂取しすぎているのに、代謝に必要なタンパク質、ビタミン、ミネラル等の摂取が不足している状態を、現代型栄養失調と言います。
タンパク質、ビタミン、ミネラル等は、身体の恒常性を維持するのに必要な栄養素です。
これらの栄養素が毎日の食生活で必要量を摂られないため、心身ともにさまざまな問題が生じます。
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生活習慣病や貧血!うつ病も⁈
現代型栄養失調では、カロリーとなる栄養素は過剰に摂取しています。
しかし、それに見合った代謝のための栄養素を摂っていないと、代謝しきれなかったカロリーは、皮下脂肪や脂肪肝といった形で体内に蓄積されてしまいます。
例えば、カロリーを10摂っても、ビタミンを3しか摂れていないと、エネルギーは3までしか作ることができません。
残った7は、皮下脂肪になったり、肝臓や血管内に溜まったりします。
肥満の人に、現代型栄養失調は多く見られると言われています。
太っているから栄養失調とは無縁と言えないのが、現代です。肥満から生活習慣病を引き起こす人も少なくありません。
タンパク質は、体のさまざまな組織を作ります。
そのタンパク質が、現代型栄養失調では不足します。
赤血球が減って貧血になったり、免疫細胞が減少して結核になったり、筋肉が発達せずに転倒しやすくなることもあり得ます。
また、現代型栄養失調では、ビタミンやミネラルも不足しています。
ビタミンやミネラルが不足すると、味覚を感じなくなったり、アレルギーが強く出たりします。
また、脳も栄養失調になり、頭が生き生きと働かなくなり、うつ病を発症しやすくなるとされています。
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加工食品の食べ過ぎに注意!
ビタミンやミネラルは、ごく普通の食生活を送っていれば、必要量はだいたいまかなえると言われています。
しかし、ごく普通の食生活を送ることが、現代は難しくなりました。
個食が進み、加工食品を利用することが多いのが、実態です。
加工食品には、カロリーが多く、ビタミンやミネラル等が不足しています。
また、ダイエットが日常化していることも、現代型栄養失調を加速させているとの指摘があります。
ダイエットで食事の量を極端に減らしたり、特定の栄養素を摂らないようにしたりして、我慢しきれなくなった時に手軽に食べられるスナック菓子で不足分を補うという生活を続けると、現代型栄養失調のリスクを高めます。
偏った食生活を送っていると、男女を問わず、現代型栄養失調になります。
現代人の少なくとも15%は医学的な栄養欠乏状態、75%は症状が出てはいないものの潜在的な栄養欠乏状態であるとの報告もあります。
糖質や脂肪の摂取を控えめにし、タンパク質、ビタミン、ミネラルを積極的に摂るようにしましょう。
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